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女性不妊とは

女性不妊とは

女性不妊は妊娠を望む男女が避妊せずに性行為を続けているが、女性側に原因があり1年間妊娠できずにいる状態のことです。

不妊に悩むカップルは年々増加傾向にあり、結婚と出産に関する全国調査では5.5組に1組のカップルが不妊の検査や治療を受けているとの報告があります。
出典：「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(国立社会保障・人口問題研究所)

こうした背景には、女性の社会進出による晩婚化と高齢出産があり、不妊は年々出生率が低下している現代日本が抱える問題のひとつです。

女性不妊の原因

女性の不妊では、以下のような原因が挙げられます。

  • 排卵因子(排卵障害)
  • 卵管因子(閉塞、狭窄、癒着)
  • 子宮因子(一部の子宮筋腫や子宮内膜ポリープなど)
  • 頸管因子(子宮頸管炎、子宮頸管からの粘液分泌異常など)
  • 免疫因子(抗精子抗体など)

女性不妊の原因はこのように多岐に渡りますが、なかでも代表的ともいえる原因は排卵因子と卵管因子が挙げられ、これらは不妊症の3大原因に含まれています。

女性不妊が不妊3大原因の2つを占めていますが、もちろん不妊は女性側の問題だけではありません。

男性側、あるいは両方に原因があるパターンもあります。
さらには原因が特定できない場合や、不明であることも珍しくないのです。

排卵因子

女性不妊,排卵因子

排卵因子による不妊はおもに、排卵が正常に起こらないことが原因です。

排卵が正常に起こらないと、精子と卵子が受精できず妊娠できません。

排卵が正常に起こらない原因としては、以下が挙げられます。

  • 極端な月経不順
  • 甲状腺など女性ホルモンを出す仕組みに影響を与える病気
  • 極度の体重減少または肥満
  • 男性ホルモンが高くなるホルモンバランスの異常(多嚢胞性卵巣症候群)など

たとえば極度の体重変化がホルモンバランスに影響を与え、排卵を抑制することがあります。
また、男性ホルモンの過剰分泌が起こる多嚢胞性卵巣症候群や、女性ホルモンの分泌に影響を与える甲状腺の病気なども原因となるのです。

ほかにもホルモン分泌の異常や、早発卵巣不全により全く月経がない人もいます。

このように排卵因子による不妊は、ホルモンバランスが大きく影響しています。

卵管因子

女性不妊,卵管因子

卵管が原因で起こる不妊は、卵管が炎症などによって詰まることで、精子が卵子に到達できなくなることが原因です。

卵管が詰まる原因には、クラミジア感染による卵管炎や骨盤腹膜炎が60～70％を占めています。
しかし、クラミジアは女性が感染しても症状が現れにくく、気づかない間に進行してしまいます。

また、クラミジア以外の原因は、子宮内膜症によって卵管周囲の癒着が生じることです。

いずれの場合も自然妊娠は困難なため、癒着の剥離手術や体外受精などをおこなう必要があります。

子宮因子

女性不妊,子宮因子

子宮因子は着床障害とも呼ばれ、子宮に変形など何らかの異常があることで精子が卵子へ到達できなくなっていることや着床を妨げてしまっている状態です。

おもな原因としては、子宮内ポリープや子宮筋腫のほか、先天的な形態の異常や過去の手術や炎症による癒着が子宮内にあることなどが挙げられます。

このような子宮の異常は、子宮内で胚がくっついて育つことを妨げてしまうため、妊娠しにくいのです。

頸管因子

女性不妊,頸管因子

子宮頸管は精子が子宮内へと進むための通路ですが、排卵が近づくと子宮頸管を満たす粘液が変化し精子の貫通を助けます。

しかし、粘液の分泌量が少ない、粘度が低いといった精子の貫通に適さない状態の場合、精子がスムーズに子宮頸管を通れず子宮内へ侵入できないため、妊娠しにくくなるのです。

頸管粘液の分泌が正常におこなわれない原因としては、頸管腺を切除してしまう子宮頸部の円錐切除術やクロミッドの長期服用などが挙げられます。

免疫因子

女性不妊,免疫因子

精子を攻撃する抗体を持つ女性の場合、子宮頸管や卵管の中で抗精子抗体が分泌されます。
抗精子抗体が分泌されると、精子の運動性が失われて卵子に到達できず妊娠できません。

免疫は本来、体を守るために体内に侵入したウイルスや菌といった害のあるものに対して働きます。
しかし、異物を侵入させないための免疫が、精子を攻撃してしまうこともあるのです。

女性不妊になりやすい人の特徴

女性不妊になりやすい人の特徴には、以下が挙げられます。

女性不妊になりやすい人の特徴
  • 月経周期、量、期間、月経中の症状に異常がある
  • クラミジアや淋病にかかったことがある
  • 骨盤腹膜炎にかかったことがある
  • 子宮筋腫や子宮内膜症と指摘されたことがある
  • 35歳以上
  • 不健康な生活習慣

月経の異常は、排卵や子宮内部の癒着などが関係しており、不妊のリスクを高めている可能性があります。
たとえば不妊に悩む方で月経の間隔が長く39日以上空く方や、反対に間隔が24日以内と短い方の多くは排卵をしていません。
そのため、不妊のリスクを下げるには、月経異常の改善が重要です。

なお、当サイトでは月経異常の改善に効果的な以下の医薬品を取り扱っています。

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また、過去にクラミジアなどの性感染症や骨盤腹膜炎にかかったことがある方は、卵管が原因の不妊症リスクが高まります。

さらに、加齢も不妊リスクを上げる原因のひとつです。
月経が正常な方や、不妊に繋がるような特定の原因がない健康な方でも、35歳を過ぎると卵子の質は低下し、さらに40歳以降になると妊娠率は急速に減少するのです。

女性不妊の検査

女性不妊の検査

女性不妊では、以下のような検査がおこなわれます。

  • 内診
  • 経腟超音波検査
  • 子宮卵管造影検査
  • 血液検査
  • 腹腔鏡検査、子宮鏡検査
  • MRI検査 など

内診から血液検査までは、ほとんどの方が受ける一般的な検査です。
これらの検査によって何かしらの疾患の疑いがあった場合は、腹腔鏡検査や子宮鏡検査、MRI検査を受ける場合もあります。

女性不妊の治療

女性不妊の治療

女性不妊の主な治療法は、以下の通りです。

  • タイミング法
  • 排卵誘発法
  • 内視鏡手術(子宮鏡、卵管鏡、腹腔鏡)
  • 人工授精
  • 生殖補助医療(体外受精など)

これらの治療は、不妊の原因に応じておこなわれます。

また、治療期間には個人差があり、すぐに妊娠できる方もいればなかなか妊娠できなかったり、妊娠しても繰り返し流産したりする方もいます。

さらに、残念ながら治療を受ければ誰もが必ず妊娠できるというわけではありません。
選択した治療法で妊娠できなかった場合は、必要に応じてより高度な治療へとステップアップすることが推奨されています。

タイミング法

タイミング法とは、排卵日を予測して性行為のタイミングを合わせる治療法です。
体への負担が少なく、自然な妊娠を目指せます。

排卵日の2日前から排卵日までに性行為をすることで妊娠しやすくなるといわれているため、そのタイミングを狙います。

タイミング法が適応される女性の条件は、卵管に異常がなく、排卵もほとんど順調もしくは排卵障害がある場合も軽症であることです。

ただ、タイミング法による妊娠率はほかの治療法と比べて高くないため、時間に余裕のない方にはあまりおすすめできません。

排卵誘発法

排卵誘発法とは、排卵誘発剤によって卵巣を刺激し、排卵を起こす治療法です。
おもに排卵の無い方や、排卵が起こりにくい方におこなわれます。

また、人工授精やタイミング法と組み合わせることで妊娠率を高めることができるため、正常な排卵が起こる方に対してもおこなわれる方法です。

ほかにも、体外受精をはじめとした生殖補助医療の際に併用することで妊娠率を上げることができます。

排卵誘発剤には内服タイプや注射薬タイプがありますが、当サイトでは内服タイプの排卵誘発剤を取り扱っています。

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内視鏡手術

内視鏡手術は、おもに子宮因子や卵管因子の方におこなわれる方法です。

検査と同時に治療もできることが大きなメリットで、卵管周囲の癒着や子宮内膜症などの病気を検査で発見した場合、そのまま治療をおこないます。

不妊治療でおこなわれる内視鏡手術は、子宮鏡下手術と卵管鏡下手術の2つです。
子宮鏡下手術では妊娠の妨げとなる子宮内のポリープや子宮筋腫を電気メスなどで切除します。

また、卵管鏡下手術は、閉塞している卵管にチューブを通して貫通させ癒着を剥がすことで精子の通り道を開け、自然妊娠の可能性を高められます。

人工授精

人工授精は、女性の排卵の時期に合わせて男性から採取した精子を子宮内へ直接注入する方法で、排卵誘発剤と併用しておこなう場合もあります。

タイミング法で妊娠できなかった方や、子宮頚管の粘液が少なく精子が子宮内へ侵入できず妊娠に至らない方に推奨される方法です。

また、不妊原因や女性の年齢にもよりますが、人工授精で妊娠する確率は回数を重ねるごとに高まり、妊娠できた方の91％が4回目で妊娠に至ったという臨床試験データもあります。

生殖補助医療

生殖補助医療とは、ほかの治療で妊娠できない難治性不妊症を対象に、現代の医療技術を用いて妊娠を助ける高度な不妊治療法です。

生殖補助医療にはおもに体外受精と顕微受精の2つの方法があります。

体外受精は、卵巣から取り出した卵子を皿の上に乗せ、そこに精子を泳がせることで受精させます。

一方、顕微受精は状態の良い精子を選び、顕微鏡下で確認をおこないながら極細のガラス管で注入し受精させる方法です。

受精した後は受精卵を再び子宮に戻し治療は完了となります。

女性不妊の治療は保険適用になるのか

女性不妊の治療は保険適用になるのか

女性の不妊治療は、保険適用で受けられます。

保険適用の対象となる治療法は以下の通りです。

  • タイミング法
  • 人工授精
  • 生殖補助医療(採卵、体外受精、顕微授精、受精卵・胚培養、胚凍結保存、胚移植)

一般におこなわれる不妊治療は基本的にすべて保険適用です。
ただし、受けられる年齢や回数には制限があります。

たとえば体外受精と顕微授精は43歳未満であることが条件で、40歳未満の方は通算6回まで、40歳以上43歳未満の方は通算3回までが回数の上限です。

また、以前は保険適用外だった体外受精をはじめとした生殖補助医療が、2022年4月から保険適用となりました。

よくある質問

女性の不妊についてのよくある質問にお答えしていきます。

妊娠しやすい人の特徴は？

妊娠しやすい人の特徴は、以下の通りです。

妊娠しやすい人の特徴
  • 月経周期が順調
  • 経血の量が正常
  • 月経痛、性交痛がない
  • 過去に性感染症にかかったことがない
  • 35歳以下
  • 体重が適正範囲内
  • 喫煙の習慣がない
  • 甲状腺疾患や糖尿病などの持病がない
  • 避妊していない期間が短い
  • 腹部の手術をしたことがない

妊娠にはホルモンバランスが大きく関わっています。
そのため、月経周期や経血量などに問題がない方は妊娠しやすくなります。

また、喫煙をしないことや適正体重であることなど、妊娠するためには健康面を整えることも大切です。

タイミング法で妊娠しない原因は？

タイミング法の妊娠率は1回(1ヶ月)で20％前後、6回(6ヶ月)で半数以上と言われています。

もしタイミング法をおこなっても妊娠しなかった場合は、以下のような原因が考えられます。

  • 正確な排卵日が推定できていない
  • 生活習慣が乱れている
  • 排卵障害や異常精子など医学的な問題がある
  • 性行為のタイミングがあっていない

タイミング法で妊娠しない場合は、医師の指導を受けることや不妊治療を次のステップに進めることが推奨されています。

女性が1番妊娠しやすい年齢は？

女性が一番妊娠しやすい年齢は、20代～30代前半です。

この年齢がホルモンバランスや子宮などの問題が少なく、また卵子の状態も良いことから、もっとも妊娠に適しているとされています。

近年では医療技術の進歩により高齢出産も増えていますが、35歳ごろから妊娠する力(妊孕性)は低下し、不妊リスクが急速に高まるため、注意が必要です。

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