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メトホルミンの効果について徹底解説
メトホルミンは2型糖尿病の治療薬ですが、近年ダイエット効果も期待できるとして大注目されています。
そこで、この記事では下記のような疑問にお答えしていきます。
・メトホルミンにはどんな効果があるのか?
・メトホルミンの効果はいつから出てくるのか?
・メトホルミンの効果に対する口コミや評判は?
・メトホルミンで痩せるのか?
メトホルミンの効果や、メディカルダイエットに興味がある人は是非参考にしてください。
メトホルミンの効果
メトホルミンの主な効果は、血糖値を下げる効果です。
メトホルミンは、下記の働きによって血糖値を下げる効果を発揮します。
・肝臓で糖が新しく作られるのを防ぐ
・筋肉や脂肪などで糖を取り込みやすくして筋肉での利用を促す
・腸で食事から摂取した糖の吸収を抑える
なお、メトホルミンは血糖値を下げるときにインスリンの分泌を増加させないため、単体で飲む場合は低血糖を起こしにくいです。
また、他にも下記の効果があります。
・不妊治療への効果
・がんの発症リスクを低下させる効果
・血圧を下げる効果
・心不全などの発症リスクを低下させる効果
・体重減少効果
・若返り効果など
メトホルミンは血糖値を下げる効果だけでなく、継続的な研究によって様々な効果が報告されているのです。
次の項目から、それぞれの効果について詳しく解説します。
糖尿病への効果
メトホルミンは、2型糖尿病の治療薬として広く使用されています。
2型糖尿病は、生活習慣などが原因でインスリンが出にくい又は効きにくくなり、血糖値が高い状態が続く疾患です。
2型糖尿病の治療では、体重を減らしてインスリンが効きやすくなるように血糖値をコントロールすることが必要です。
基本的には、食事療法や運動療法で減量と血糖コントロールをしますが、効果が不十分な場合はメトホルミンなどの薬物療法を取り入れます。
メトホルミンは他の糖尿病治療薬と違い、体重増加を伴わずインスリン抵抗性を改善して、血糖値を下げることが可能です。
そして、血糖値を下げる効果は合併症である心不全などの発症リスクを下げることにもつながります。
そのため、メトホルミンは2型糖尿病治療の第1選択薬として推奨されています。
不妊治療への効果
メトホルミンは、多嚢胞性卵巣症候群における排卵誘発や調節排卵刺激の効果が認められ、不妊治療に使用されています。
多嚢胞性卵巣症候群とは、卵胞の成⻑が途中で止まり卵巣内に多く留まってしまう疾患で、不妊の原因のひとつです。
多嚢胞性卵巣症候群の全ての原因は明らかになっていませんが、インスリン抵抗性が関係しているとされています。
メトホルミンを使用した治療では、他の排卵誘発薬などと併用して排卵を促します。
メトホルミンを使用した多嚢胞性卵巣症候群の治療は、最近まで保険適用外で自由診療でした。
しかし、臨床試験の結果などから効果の有効性や安全性が評価されて2022年に保険適用になりました。
多嚢胞性卵巣症候群の治療にメトホルミンが追加されたことで、不妊治療の選択肢が広がったといえるでしょう。
ダイエットへの効果
メトホルミンはダイエット効果が期待できます。
その理由は、下記のメトホルミンの効果がダイエットにも有効だと考えられているからです。
・食べ過ぎを防止する
・血糖値を下げる
・代謝が上がる
このような効果によって少ない量の食事で満腹感が得られるうえに、血糖値を下げつつ日々の消費カロリーが増えます。
そのため、メトホルミンを飲むだけで体重減少につながるのです。
なお、メトホルミンの効果は過剰な食欲や余分な糖に飲み働くため、健康な人が飲んでも問題ありません。
メトホルミンダイエットについては、別の記事でさらに詳しく紹介しています。
ダイエットに興味がある人は、こちらもあわせてお読みください。
GLP-1ダイエットについて
GLP-1ダイエットとは、GLP-1受容体作動薬を使用しておこなうダイエットのことです。
GLP-1受容体作動薬の働きによって自然に食事量が減り、食事制限や空腹によるストレスなくダイエット効果が期待できます。
メトホルミンダイエットについて調べると、GLP-1ダイエットの情報も多く出てきますが2つは別の種類です。
GLP-1ダイエットでは、経口薬のリベルサスや注射薬のオゼンピックなどを使用します。
なお、メトホルミンとリベルサスは併用可能です。
併用すると、より強いダイエット効果が期待できるとされています。
リベルサスを使用したダイエットについては別の記事で紹介しています。
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若返りへの効果
メトホルミンを飲むと、糖尿病の人だけでなく健康な人でも健康寿命が延びる可能性があるという報告があります。
若返り効果についての研究では、健康寿命の延長は下記の働きなどが関係していると考えられています。
・動脈硬化を抑制する
・抗がん、抗腫瘍作用
・認知機能の低下を防止する
・抗酸化作用など
これらの働きは、心不全などの心血管系疾患や大腸ポリープ、がん、認知症などの発症リスクが下がり、健康寿命が延びることにつながるのです。
また、メトホルミンには筋肉量が増える効果もあります。
筋肉量が増えることで体が引き締まると、見た目の若々しさにつながるのです。
メトホルミンによる若返り効果については、別の記事で詳しく紹介しています。
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健康寿命と筋肉の関係性
健康寿命と筋肉を結び付けて考える人は少ないかもしれません。
しかし、健康寿命と筋肉には深い関係があり、筋肉量が多いほど健康に長生きできるという報告もあるのです。
筋肉には体を支えて動かす、エネルギーを溜めるという機能があります。
筋肉量が減ると血糖値が上がりやすくなったり、運動機能や免疫力が低下したりするなどの健康への悪い影響が現れるのです。
メトホルミンには、下記の3つの筋肉への効果があります。
・筋肉を増やす
・筋肉の分解を防ぐ
・筋肉の回復を高める
健康に長生きするためには、筋肉の維持も大切になります。
メトホルミンの筋肉への効果は、見た目の若々しさを保つだけでなく、健康寿命を延ばすことにもつながるのです。
メトホルミンの筋肉への効果については、別の記事で詳しく解説しています。
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がんへの効果
メトホルミンには、発がん抑制作用があることが報告されています。
メトホルミンとがんに関する研究では、メトホルミンを飲んでいる人は飲んでいない人と比べてがんの発症率や、がんによる死亡率が低いことが確認されています。
また、メトホルミンが免疫細胞の代謝バランスを変化させて、制御性T細胞の機能と増殖を抑えるという働きも発見されました。
メトホルミンのがんへの効果は、今後より安全で効果的ながん免疫療法の開発につながると期待されています。
メトホルミンとがんの関係については、別の記事で詳しく解説しています。
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高血圧への効果
メトホルミンには、血圧を下げる効果もあると報告されています。
メトホルミンの血圧を下げる効果は、腎臓から尿中への塩分排出量を増やすことで発揮されます。
糖尿病の場合、高血糖や肥満、インスリン抵抗性などによって高血圧になりやすいです。
ただ、メトホルミンの血圧を下げる効果は糖尿病だけでなく、糖尿病ではない高血圧を伴う肥満やメタボリックシンドロームにも有効であることが確認されています。
そのため、高血圧を伴うメタボリックシンドローム治療へのメトホルミンの活用も期待されているのです。
メトホルミンの効果はいつから出てくる?
メトホルミンの効果が出るまでにかかる時間は、個人差があります。
そのため、明確にいつから効果が出ると断言すること難しいです。
血糖値を下げる効果については、メトホルミンを飲む量が多いほど強くなります。
しかし、その一方で飲む量が増えると副作用を引き起こすリスクも高くなるため、体調をよく観察して飲む量を調整することが必要です。
また、ダイエット効果については臨床試験において、メトホルミンを飲み始めてから26週後から有意な体重減少が認められたという結果があります。
さらに、飲み始めてから54週後には平均1.2㎏の減量が認められています。
いずれも効果が出るまでにかかる時間は個人差がありますが、一定の期間メトホルミンを飲み続けることが重要です。
メトホルミンの成分と名称
メトホルミンはビグアナイド系に分類される経口薬で、有効成分はメトホルミン塩酸塩です。
メトホルミンには、血糖値を下げる効果や排卵を誘発する効果があり、2型糖尿病治療と不妊治療で使用されます。
また、体重減少につながる効果があることからダイエットにも活用されています。
なお、医薬品には一般名と商品名があり、メトホルミンは一般名です。
商品として販売するときには別の名称で販売されており、代表的なものはメトグルコが挙げられます。
メトホルミン塩酸塩については別の記事で詳しく解説しています。
こちらも是非ご覧ください。
メトグルコとは
メトグルコは、有効成分がメトホルミン塩酸塩の2型糖尿病の治療薬です。
メトグルコは、国内で最初に1日の維持量が1500mg、1日の最大量が2250mgでの使用が承認されました。
また、メトグルコと同じ有効成分を持つ医薬品にグリコランがあります。
メトグルコとグリコランの違いについては、別の記事で解説しています。
こちらも是非ご覧ください。
メトホルミンの口コミや評判
メトホルミンの効果や、メトホルミンダイエットについての口コミをまとめました。
・1日2錠くらいでも少しずつ体重が落ちてきた
・お腹が空かなくなった
・2カ月で3.5㎏体重が減った
・フォシーガと併用して二カ月半で7㎏痩せた
・初めは胃が痛いこともあったがすぐ慣れて副作用が減ってきた
・友人が糖尿病のために使用していたが、不摂生な生活の割に体重維持ができている
・半錠から始めて徐々に量を増やしたので副作用はあまり出なかった
・週に2回の運動と合わせたら一カ月半で4kg痩せた
・安いのに効果がしっかり出る
・今までは口寂しくなったら食べていたが、飲んでからはかなり食欲がおさまった
メトホルミンを購入したり飲んだりするときには、実際にメトホルミンを飲んだことがある人からの評判が気になるかと思います。
これらの口コミは、メトホルミンを購入するときの参考にご活用ください。
メトホルミンは痩せない?
メトホルミンを飲んで、「食欲が抑えられた」「痩せた」といった口コミがある一方で、メトホルミンを飲んでも「痩せない」という口コミも見られます。
メトホルミンを飲んでも痩せないときは、下記のような原因が考えられます。
・飲んでいる期間が短い
・食べ過ぎている
・極度の運動不足など
メトホルミンは、一定の期間飲み続けることでダイエット効果を実感できる医薬品です。
そのため、飲んでいる期間が短いと変化を感じられない場合があります。
また、メトホルミンを飲んでいるからといって、何をどれだけ食べても太らないというわけではありません。
ダイエット効果を得るためには、食事の内容や量を意識する必要があります。
ダイエットでは、食生活の見直しや適度な運動を取り入れるなど、メトホルミンの力だけに頼らない心がけが大切です。
メトホルミンの効果的な飲み方
メトホルミンの飲み方は、飲む目的によって異なります。
目的ごとの飲み方は下記の通りです。
〈2型糖尿病治療〉※成人の場合
・1日2~3回に分けて食前または食後に飲む
・通常500mgから始めて、750~1500mgで維持する
・自己判断で飲む量を調整せず、医師から指定された量を守って飲むこと
〈多嚢胞性卵巣症候群〉
・1日2~ 3回に分けて飲む
・通常1日1回500mgから飲み始めて、耐えられる副作用の程度を確認しながら飲む量を増やす
・排卵誘発の場合は他の排卵誘発薬と併用する
・生殖補助医療における調節卵巣刺激の場合は、他の卵巣刺激薬と併用する
・いずれの場合も採卵までに中止する
〈ダイエット〉
・1日2~3回に分けて食前または食後に飲む
・250mgから飲み始めて、750mg~1500mgで維持する
・1日2250mgを3回に分けて食前または食後に飲むことが最も効果的
1日に飲める量は、2型糖尿病治療とダイエット目的の場合は最大2250mg、多嚢胞性卵巣症候群治療の場合は最大1500mgです。
いずれの場合も、少ない量から飲み始めて効果や副作用の様子を見ながら量を調整していきます。
1日の最大量より多く飲むと、副作用を引き起こすリスクが高くなります。
そのため、飲む量は必ず守りましょう。
メトホルミンの危険性
メトホルミンは重大な副作用が少なく、安全性が高いと言われています。
しかし医薬品である以上、副作用などの危険性もあります。
メトホルミンの主な副作用は下記の通りです。
・消化器症状(下痢、吐き気、腹痛など)
・低血糖
消化器症状はメトホルミンを飲み始めた時や、飲む量を増やしたときに起こりやすい副作用です。
一過性で軽度なことが多いため、症状が酷くないときは少し様子を見ましょう。
また、メトホルミンを飲んでいるときに過度な食事制限や激しい運動をすると、低血糖を引き起こすリスクが高くなるため注意が必要です。
メトホルミンは、一般的に健康な成人であれば飲める医薬品です。
しかし、既往歴や健康状態によっては飲めない場合もあるため、飲む前に必ず確認してください。
メトホルミンを飲めない場合
メトホルミンを飲めない場合は、禁忌に該当するときです。
メトホルミンには禁忌があり、以下に該当する場合はメトホルミンを飲むことができません。
①乳酸アシドーシスの既往歴がある人
②重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)がある人
③透析治療中(腹膜透析を含む)の人
④重度の肝機能障害がある人
⑤心血管系、肺機能に高度の障害(ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓等)がある人または、その他の低酸素血症を伴いやすい状態にある人
⑥直近6ヶ月以内に脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴がある人
⑦脱水症の人又は脱水状態が懸念される人(下痢、嘔吐等の胃腸障害のある人、経口摂取が困難な人等)
⑧過度のアルコール摂取者
⑨重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の人
⑩重症感染症、手術前後、重篤な外傷がある人
⑪栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の人
⑫妊婦又は妊娠している可能性がある人
⑬メトホルミンの成分又はビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴がある人
なお、健康状態によっては上記以外にも飲めない場合もあるため、不安がある場合は医師や薬剤師に相談してください。
まとめ
ここまでにお伝えしたことのポイントをまとめました。
- メトホルミンの主な効果は血糖値を下げる効果
- 2型糖尿病と多嚢胞性卵巣症候群の治療やダイエットに使用されている
- 血糖値を下げる効果以外にダイエット、若返り、がん、高血圧などへの効果が新たに報告されている
メトホルミンは、血糖値を下げる効果があることから2型糖尿病の治療に使用されている医薬品です。
さらに、近年は排卵の誘発、がんの抑制、血圧を下げるなどの新たな効果が報告されています。
そのため、今後は他の疾患の治療などへの活用も期待されています。
Q&A
メトホルミンの効果についてのよくある質問にお答えします。
Q.メトホルミンとメトグルコは同じ薬ですか?
A. メトホルミンとメトグルコは、同じ医薬品です。
メトホルミンは一般名で、メトホルミンを商品として販売するときは、メトグルコという商品名で表記されます。
Q. メトホルミンを飲むとお腹が痛くなるのはなぜですか?
A. メトホルミンを飲んで起こる腹痛は、副作用の可能性があります。
腹痛はメトホルミンのよくある副作用のひとつです。
日常生活に支障がなければ、少し我慢して飲み続けると体がメトホルミンに慣れてきて、自然と症状が治まるといわれています。