アジャンタファーマ
アジャンタファーマ社の概要
企業名 | Ajanta Pharma Limited (APL) |
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本拠地 | インド マハーラシュトラ州 ムンバイ |
創業年 | 1973年 |
創業者 | Mannalal Agrawal (Chairman) |
公式HP | http://www.ajantapharma.com/ |
アジャンタファーマはインドを本拠としており、世界30ヶ国に拠点を持つ製薬メーカーです。
自社ブランドのジェネリック医薬品を手がけており、世界で1,400以上の製品を登録、それらすべてが承認されています。
また、研究開発施設にも多額の投資をおこなっていることや、2000年には株式上場もしていることから安定した基盤を築き上げている企業といえます。
- 関連ページ
- ジェネリック医薬品とは
- ED治療薬 商品一覧
アジャンタファーマの評判
アジャンタファーマは、インド国内に6ヵ所、モーリシャスに1ヵ所の合計7ヵ所の製薬工場を運営しています。
そのうち、ダヘジ工場とパイタン工場は、FDA(アメリカ食品医薬品局)という日本でいう厚生労働省のような機関やWHO(世界保健機関)からの承認を受けています。
FDAやWHOの承認を受けていることから、アジャンタファーマは法律に違反せず、安全な医薬品を製造している製薬メーカーといえるでしょう。
さらに、アジャンタファーマの医薬品は、その品質が国際的な基準をクリアしているという証である、国際標準化機構の承認も取得しています。
また、2005年にはインドの製薬会社の中で、当時インド最高の売上高の135億6000万ルピーを達成しました。
このような背景から、アメリカをはじめとする先進国において高い信頼を得ており、現在も30ヶ国以上への輸出をおこなっています。
アジャンタファーマの医薬品と研究開発
アジャンタファーマの代表的な医薬品として、ED治療薬のカマグラゴールド、バリフ、タダリスSX、ラブグラ(女性用バイアグラ)などがあります。
いずれも先発薬より安く購入することが可能で、コストパフォーマンスの高いED治療薬として人気です。
さらに、アジャンタファーマは品質の高さでも世界的に評価されており、医薬品の審査が厳しいことで有名なアメリカでも20種類以上の医薬品を展開しています。
また、自国のインドでは眼科、皮膚科、心臓病、疼痛管理などのジェネリック医薬品で高く評価されており、幅広い製品を製造販売している大手製薬メーカーです。
カマグラゴールド(バイアグラ)
カマグラゴールドは、バイアグラのジェネリック医薬品です。
バイアグラと同じ有効成分シルデナフィルが含まれており、ED改善の効果があります。
主な副作用としては顔のほてりや頭痛などが挙げられますが、多くは効果が切れるとともに症状も治まる一時的なものです。
カマグラゴールドには50mgと100mgの2種類があります。
100mgは海外の大柄の人向け、小柄な日本人は50mgや、50mgを半分にした25mgでも十分に効果を感じられるでしょう。
また、錠剤タイプのカマグラゴールドの他にも、錠剤が苦手な人でも飲みやすいゼリーやトローチなどの形状をした、カマグラシリーズの製品が展開されています。
バリフ(レビトラ)
バリフは、レビトラのジェネリック医薬品です。
レビトラと同じ有効成分バルデナフィルが含まれており、ED改善の効果があります。
主な副作用として、顔のほてりや頭痛が挙げられますが、一時的なものでバリフの効果が薄れるとともに症状もなくなることがほとんどです。
バリフの特徴は、効果が出るまでの即効性に優れていることです。
飲んでから30分ほどで効果が出るため、効果をすぐに実感したい人におすすめのED治療薬となっています。
アプカリスSXオーラルゼリー(シアリス)
アプカリスSXオーラルゼリーは、シアリスのジェネリック医薬品です。
こちらもバリフと同じくED改善の効果があり、主な副作用には顔のほてりや頭痛がみられます。
アプカリスSXオーラルゼリーには、有効成分としてタダラフィルが配合されており、効果や副作用が緩やかという特徴があります。
また、持続性に優れており、効果の持続時間は最大36時間と非常に長い点が魅力です。
なお、錠剤ではなくゼリータイプになっているため、錠剤が苦手な人でも飲みやすい商品となっています。
メラケアクリーム
メラケアクリームは肌に塗る美白剤で、シミやシワ、ニキビ跡の改善に効果が期待できます。
朝晩の2回、洗顔後に化粧水を塗ってから薄く塗ることで、肌の黒ずみの原因となるメラニン色素の生成を阻害し、シミなどができにくくなる効果があります。
ただし、副作用としてかゆみ、かぶれなどがあるため、使用方法を守って正しく使わなければなりません。
また、有効成分のハイドロキノンは、紫外線に当たることでメラニンを過剰に生成してしまうため、使用の際は日に当たらないようにするか、日焼け止めによる対策が必要です。
イベルメクチンクリーム
アジャンタファーマでは、イベルメクチンを1%配合したクリームを製造販売しています。
イベルメクチンクリームには、酒さの原因であるニキビダニや寄生虫を死滅させる効果があります。
強力な効果であるにもかかわらず、副作用が少なく安全性が高いことが特徴です。
なお、イベルメクチンという成分は、コロナ禍で話題になったものと同じ成分です。
しかし、イベルメクチンクリームは赤みや炎症を改善するものであり、話題になった医薬品とは用途が異なる別物になっています。
アジャンタファーマの他の医薬品
ここまで紹介してきた主な医薬品の他にも、アジャンタファーマでは以下のような医薬品の製造販売を手がけています。
- 抗マラリア薬
- 心血管疾患治療薬
- 胃腸薬
- 抗生物質
- 皮膚科治療薬
- 抗ヒスタミン薬
- マルチビタミン
- 婦人科疾患治療薬
- 疼痛管理薬
- 眼科用薬
- 抗糖尿病薬
- 整形外科治療薬
このようにさまざまな分野で使われる幅広い種類の医薬品を提供しています。
アジャンタファーマの歴史
- 1973年
インド ムンバイに設立
- 2005年
インドの製薬メーカーの中で最高売上高を達成
- 2015年
アメリカで気管支喘息治療薬であるモンテルカストチュアブル錠を発売
- 2018年
インドの都市グワーハーティーに研究施設を設立
- 2019年
アジャンタファーマUSAが「最優秀総合賞」としてDIANA賞を受賞
- 2021年
フォーチュン500のインド企業ランキングにランクイン
- 2022年
デロイトによる「インドで最も優れた経営企業2022」に選出
- 2024年
Pharmexcil(インド医薬品輸出促進協議会)より製剤部門で「優秀輸出実績賞」を受賞
アジャンタファーマの評価は年々高まっており、日本国内における一般的な認知度は低いものの、世界的には高く評価されています。
アジャンタファーマとバイエルの訴訟問題
アジャンタファーマは、バリフの先発薬であるレビトラを販売するバイエルから、訴訟を起こされたことがあります。
バイエルは、「レビトラの有効成分であるバルデナフィルの特許を侵害された」という主張のもとで製造販売の中止を求め、アジャンタファーマを訴えました。
2016年、デリーの高等裁判所によってバイエルの主張が認められ、バリフの仮差し止め処分が下されました。
そのため、一時はバイエルの思惑通りバリフの製造販売は停止となっています。
しかし、アジャンタファーマはその後、判決に対して不服申し立てをおこないました。
その結果、2017年に条件付きではありますが仮差し止め命令が停止され、製造が再開されています。
現在でも、バリフはアジャンタファーマの人気製品のひとつであり続けています。
また、2021年10月にはバイエルがレビトラの製造中止を発表したため、バリフの需要はさらに高まったといえるでしょう。