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食べても食べてもお腹が空くのは糖尿病のせい?|原因と対処法

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糖尿病の症状に、強い空腹感があります。

とはいえ、
「食べても食べてもお腹が空いてしまう自分は糖尿病?」
「食べてすぐにお腹が空くのは糖尿病のせい?」
といった疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では糖尿病によって空腹感がある場合と、それ以外の原因で空腹感がある場合に分けて、これらの疑問にお答えしていきます。

空腹感にお悩みの人に向けて、原因や対処法をわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

食べても食べてもお腹が空くのは糖尿病の可能性

食べても食べてもお腹が空くのは糖尿病の可能性

食べても食べてもお腹が空くといった悩みが日常的にある場合は、糖尿病の可能性があります。

その理由は、糖尿病による血糖値の乱れや、ホルモンバランスの乱れなどによって強い空腹感を感じている場合があるからです。

食べても食べてもお腹が空く症状以外にも以下のような症状がある場合は、糖尿病を発症しているかもしれません。
不安な場合は、医師に相談してみましょう。

・最近太ってきた
・尿の量が多い
・すぐに疲れる
・いつも喉が渇いている
・目がかすんで見えにくい
・血縁者に糖尿病の人がいる
・味の濃いものや脂っこいものをよく食べる
・運動不足
・健康診断で血糖値が高めと診断された

例えば、糖尿病になると尿の量が増える多尿や頻尿などの症状があります。
多尿や頻尿によって尿から糖が排出される量が増えると、多くのエネルギーが失われて強い空腹を感じる場合があります。

そのため、食べても食べてもお腹が空くという悩みがずっとある場合は、糖尿病の可能性があるのです。

なお、糖尿病には、進行度合いや管理の必要性を示すステージがあります。
ステージごとの症状については別の記事で紹介しているため、こちらも参考にしてください。

食べても食べてもお腹が空く原因が糖尿病のとき

糖尿病で食べても食べてもお腹が空くときの原因は、糖尿病の種類によって違いがあります。

糖尿病には以下の4つの種類があり、病態や症状が異なります。

・1型糖尿病
・2型糖尿病
・妊娠糖尿病
・その他の糖尿病

例えば、1型糖尿病はインスリンが分泌されないことが多いのに対して、2型糖尿病ではインスリンは分泌されているけれど効きが悪かったり、量が少なかったりするなど病態が違うのです。

そのため、同じ糖尿病でも食べても食べてもお腹が空くときの原因は、糖尿病の種類によって違いがあります。

次の項目で、4つの糖尿病と空腹感の原因や症状について、それぞれ詳しく解説していきます。

1型糖尿病

1型糖尿病によって食べても食べてもお腹が空くのは、インスリンが分泌されないことが原因です。

体内のインスリンが不足すると、糖をエネルギーとしてうまく利用できず、エネルギー不足を感じます。
その結果、食べても食べても満腹感が得られなくなるのです。

また、インスリンが不足して血糖値が高い状態が続くと、頻尿や多尿の症状が起こります。
頻尿や多尿による尿量の増加も、エネルギー不足を感じる原因として挙げられます。

1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が自己免疫攻撃によって破壊されることなどにより、インスリンがほとんど分泌されなくなる疾患です。
1型糖尿病によってインスリンが分泌されなくなると、細胞が糖をエネルギーとしてうまく利用できず、エネルギー不足を感じます。

1型糖尿病では、インスリンが分泌されないことが原因となって、食べても食べてもお腹が空くのです。

2型糖尿病

2型糖尿病によって食べても食べてもお腹が空くのは、インスリンの分泌量が不足しているか、インスリンが過剰に分泌されることで、体がエネルギー不足を感じるからです。

2つの原因が挙げられる理由は、2型糖尿病にはインスリンの分泌量が不足しているタイプと、インスリンが効きにくくなっているタイプの2つがあるからです。

インスリンの分泌量が不足しているタイプの2型糖尿病の場合、1型糖尿病と同じようにインスリンが不足することによって血糖値が高くなります。
そうすると、糖をエネルギーとしてうまく利用できず、エネルギー不足を感じることでお腹が空くのです。

一方、インスリンが効きにくくなっているタイプの2型糖尿病の場合は、インスリンの効果を十分に得ようとしてインスリンを過剰に分泌します。
しかし、インスリンが効きにくく、血糖値は高いままなので糖をエネルギーとして利用できず、エネルギー不足を感じてお腹が空いてしまうのです。

また、初期の糖尿病で、偏った食事の影響によって食後に血糖値の急激な変動が起こり、インスリンが過剰に分泌される場合もあります。

このように、2型糖尿病によって食べても食べてもお腹が空く原因は、インスリンの分泌量が不足しているか、インスリンが過剰に分泌されることで体がエネルギー不足を感じているからです。

妊娠糖尿病

食べても食べてもお腹が空く原因が、妊娠糖尿病である可能性は低いといえます。

その理由は、妊娠中にお腹が空くのは、胎児の発育に必要な栄養を与えるために母体の糖の消費量が増えて、空腹時の血糖値が低くなることで空腹を感じている場合が多いからです。

妊娠糖尿病は、妊娠中に初めてわかる糖代謝異常のことです。
妊娠中は、胎盤から分泌されるホルモンによってインスリンの働きが抑制されます。
すると、インスリンの働きが弱くなり、血糖値の調整がうまくできなくなります。
ただ、妊娠糖尿病の血糖値は、糖尿病ほど高くありません。

こういった理由から、食べても食べてもお腹が空くのは、妊娠糖尿病が原因である可能性は考えにくいのです。

その他の糖尿病

その他の糖尿病によって食べても食べてもお腹が空くのは、インスリンが不足することが原因です。

インスリンが不足する理由は、遺伝子異常内臓の疾患薬剤などが原因となって発症する糖尿病によってインスリンを分泌する能力が低下するからです。

両親のどちらかが糖尿病であったり、最近膵臓の疾患を指摘された場合、食べても食べてもお腹が空く原因はその他の糖尿病である可能性も考えられます。

遺伝子異常がある場合、インスリンの合成や分泌に関わる遺伝子や、ミトコンドリアが持つDNAの変異によってインスリンを分泌する能力が低下します。

また、膵臓の疾患によってインスリンを分泌する能力が低下したり、膵臓の摘出によってインスリンの分泌ができなくなることもあるのです。

このような場合、血糖値を下げるために体がエネルギーを利用しようとすると、脂肪がエネルギー源として利用されたり、糖が尿から排出されるようになります。
これによって、エネルギー不足となりその結果として空腹を感じるのです。

その他の糖尿病によってインスリンが不足することは、食べても食べてもお腹が空く原因となりえます。

食べても食べてもお腹が空く原因が糖尿病のときの対処法

食べても食べてもお腹が空く原因が糖尿病のときの対処法

糖尿病が原因で食べても食べてもお腹が空くときの対処法には、以下のような方法が挙げられます。

・水やお茶、炭酸水をコップ一杯飲む
飲み物を1口ずつ噛むように飲むことで、空腹感が軽減されます。
また、炭酸水は炭酸ガスでお腹が膨らんだ感覚を得られるため、食べ過ぎの予防にも効果的です。

・キシリトールガムを噛む
キシリトールガムは、糖質もカロリーも低いのでおすすめです。
また、わずかな甘味があるため、甘いものを食べたい欲求を満たすことができ、間食の抑制にも期待できます。

食べても食べてもお腹が空くときの対処法として飲み物を飲むのは、喉の渇きが空腹感につながっている場合があるからです。
また、何かを噛むことで満腹中枢が刺激されて食欲が満たされます。

これらの対処法を試しても空腹が収まらない場合は、適度な間食を取りましょう。

空腹感は体のエネルギーが不足しているというサインです。
そのため、空腹状態のときに十分な糖分を補給できないと、血糖値が急激に低下して低血糖を引き起こす可能性もあるため、我慢しすぎも良くありません。
ただ、間食の摂取カロリーは1日80~160kcalまでにとどめておきましょう。

糖尿病が原因で食べても食べてもお腹が空くときには、これらの対処方法を試してみてください。

なお、次の項目で糖尿病の人にもおすすめの間食を紹介します。

糖尿病の人におすすめの間食

糖尿病の人にもおすすめの間食は、たんぱく質が多く糖質が少ない食べ物です。

たんぱく質は満腹感が得られやすく、食欲も抑えられます。
一方、糖質は血糖値が上がりやすいため、取りすぎないように気を付けましょう。

なお、たんぱく質を過度に摂取すると、血糖値が高い状態を持続してしまう場合があるため注意が必要です。

たんぱく質が多く、糖質が少ない食べ物は、以下の通りです。

・ナッツ類
糖質が少なく噛みごたえもあるので、10〜20粒を小分けにして食べることで空腹感を抑えることができます。

・高カカオチョコレート
1回につき1片(約5g)を2~3回に分けて食べてください。
カカオ成分が70%以上であれば血糖値の上昇を抑えることができます。

・チーズ
1日にチーズ1枚や1片(約20g程度)を分けて食べることをおすすめします。
高たんぱくで低糖質なチーズがおすすめです。
クリームチーズは避け、カッテージチーズやリコッタチーズを選びましょう。

・ゆで卵
高たんぱくで低糖質なゆで卵は、1日1個であれば血糖値やコレステロールに影響しないというデータがあります。

糖尿病で食べても食べてもお腹が空く人は、このようなたんぱく質が多く、糖質が少ない食べ物を間食として試してみてください。

食べても食べてもお腹が空く原因が糖尿病以外のとき

食べても食べてもお腹が空く原因が糖尿病以外のとき

糖尿病以外で食べても食べてもお腹が空く場合は、以下のような原因が考えられます。

・血糖値スパイク
・睡眠不足
・ストレス
・医薬品の副作用
・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

これらが原因と考えられる理由は、食欲や空腹感に影響を与えるからです。

甲状腺の疾患や生活習慣、医薬品の副作用が食欲や空腹感に影響すると、食べても食べてもお腹が空くことがあるのです。

次の項目でそれぞれの原因について、詳しく解説していきます。

血糖値スパイク

血糖値スパイクでお腹が空く理由は、食後に血糖値が急激に低下するからです。

血糖値スパイクは、糖質の取りすぎなどが原因で、食後に血糖値が急激に上昇し、上昇した血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されることで、血糖値が急激に下がります。

通常は、食事を取ると摂取した糖質が消化吸収されて、血糖値が緩やかに上昇します。
しかし、一度に大量の糖質を摂取すると、血糖値が急激に上昇し、膵臓から大量のインスリンが分泌されることによって、血糖値が急激に下がり空腹を感じることがあるのです。

食後に血糖値が急激に低下する血糖値スパイクは、食べても食べてもお腹が空く原因となります。

睡眠不足

睡眠不足によってお腹が空くのは、食欲をコントロールするホルモンのバランスが崩れることが原因です。

食欲をコントロールするホルモンには、食欲を抑えるレプチンと食欲を高めるグレリンがあります。

睡眠不足になると食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌量が減少し、食欲を高めるホルモンであるグレリンの分泌量が増加します。
つまり、睡眠不足になると食欲を抑える働きは弱くなり、食欲を高める働きは強くなるため、食欲のコントロールが難しくなって食欲が増してしまうのです。

睡眠不足によってグレリンの分泌量が増加すると、食欲が高まって空腹感をより強く感じてしまいます。
そして、レプチンの分泌量が減少して食欲を抑える働きが弱くなると、食欲が高まって食事量が増えやすくなるのです。

なお、睡眠不足の場合はしっかり睡眠時間をとったときに比べて、食欲が25%アップするといわれています。

このように、睡眠不足になると食欲をコントロールするホルモンのバランスが崩れるため、食べても食べてもお腹が空く原因となるのです

ストレス

ストレスによって食べても食べてもお腹が空くのは、ストレスホルモンが分泌されることが原因です。

ストレスを受けると、コルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールが分泌されると、血糖値が上昇するため、インスリンが過剰に分泌されて血糖値が急激に下がることで空腹を感じるのです。

また、感情や心理的な状態に影響を受けて食べる、エモーショナルイーティングも影響している可能性があります。
ストレスを感じたときに食事をすることで、心の安定を求める反応が生じ、過食や不健康な食習慣が生まれることがあるのです。

このように、ストレスによってストレスホルモンが分泌されると、空腹を感じることがあります。

医薬品の副作用

医薬品の副作用によって食べても食べてもお腹が空く原因は、満腹中枢や摂食中枢に影響を与えるからです。

抗精神薬や抗うつ薬、ステロイドホルモンなどは、脳内の神経伝達物質のバランスを変化させて精神症状や炎症などを改善する一方で、食欲増進などの副作用が起こる場合があります。

例えば、抗うつ薬の抗ヒスタミン作用や抗5HT₂C作用などは、満腹中枢の刺激を止めて満腹感を得にくくしたり、摂食中枢を刺激して食欲を増加させる副作用が生じることがあります。

このように、医薬品が満腹中枢や摂食中枢に影響することで異常な食欲が生じる副作用が起こる可能性も考えられるのです。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)によって食べても食べてもお腹が空く原因は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるからです。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、甲状腺の働きが活発になることで甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。
食べても食べても体重が減少したり、疲れやすくなったり、動悸や震え、発汗、女性では生理周期の乱れなどの症状が起こります。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると全身の代謝が早くなって、激しくエネルギーを消費するため、空腹感が増して食欲が増加するのです。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では甲状腺ホルモンの過剰分泌によって、食べても食べてもお腹が空くことがあります。

食べても食べてもお腹が空く原因が糖尿病以外のときの対処法

食べても食べてもお腹が空く原因が糖尿病以外のときの対処法

食べても食べてもお腹が空く原因が糖尿病以外の場合、以下の対処法がおすすめです。

・水を飲む
水を十分に飲んでいないと、お腹が空いていると勘違いしやすいです。
脱水症状によって空腹を感じているのか、本当にお腹が空いているのか見極めるために、空腹を感じたらまずコップ1杯の水を飲んでみましょう。

・歯磨きやマウスウォッシュをする
口の中を清潔にすることで、口腔内の不快感や異物感を減少させ、食欲の抑制が期待できます。
なお、ミントの香りには食欲を抑える効果があるため、ミント系の歯磨き粉やマウスウォッシュを使うことがおすすめです。

・軽い運動をする
ストレッチやランニングなどの軽い運動をおこなうと血行が良くなり代謝が上がります。
また、運動をすることで食欲を抑制するエンドルフィンというホルモンが分泌されます。
エンドルフィンは気分を高揚させ、空腹感を忘れさせてくれる効果があるのです。

なお、これらの対処法を試してもお腹が空いているときには、空腹を無理に我慢するより間食を取りましょう。
間食には、たんぱく質が豊富なプロテインやヨーグルト、食物繊維が豊富なバナナ、甘味がほしい場合はドライフルーツがおすすめです。

糖尿病以外の原因で食べても食べてもお腹が空くときは、これらの対処法を試してみてください。

食べても食べてもお腹が空く現象の予防法

食べても食べてもお腹が空く現象の予防法

食べても食べてもお腹が空く原因が糖尿病のときでも、糖尿病以外のときでも、空腹を防ぐためには以下の予防法が効果的です。

①栄養バランスの良い食事を心掛ける
②ライ麦やもち麦などの低GI食品を選ぶ
③食べる順番は食物繊維とタンパク質から
④よく噛んでゆっくり食べる
⑤朝食を毎日きちんと取る

これらの方法が空腹の予防に効果的な理由は、血糖値が急上昇しにくく、満腹感を得やすいからです。

空腹を予防するためには、栄養バランスのよい食事をゆっくりよく噛んで食べることが大切です。
また、食べる順番や食事と食事の間隔が長くなり過ぎないようにすることも重要になります。

これらの方法を意識して実践することで、食べても食べてもお腹が空く現象を予防できるのです。

次の項目で、それぞれの予防方法について詳しく解説します。

①栄養バランスの良い食事をとる

栄養バランスのよい食事を取ると空腹を予防できる理由は、血糖値スパイクを防げるからです。

血糖値スパイクは糖質の取り過ぎなどが原因となって起こるため主食、主菜、副菜のバランスが整うことで、糖質の取りすぎを抑制できます。

主食は白米や食パンではなく、低糖質な玄米やブランパンなどがおすすめです。
また、副菜に海藻類や大豆、こんにゃくなどの水溶性食物繊維を取り入れることで糖の吸収がゆるやかになり、血糖値の急上昇が抑えられます。
なお、水溶性食物繊維には、満腹感を持続させる効果もあるのです。

麺類や丼などで済ますと糖質が多くなりがちですが、主食、主菜、副菜をバランスよく取ることで、糖質の取り過ぎを抑制できます。

栄養バランスの良い食事を取ると血糖値スパイクが起こりにくくなり、空腹を予防できるのです。

②低GI食品を選ぶ

低GI食品を選ぶことで空腹を予防できる理由は、血糖値スパイクが起こりにくいからです。

GIとは、Glycemic Index(グリセミック・インデックス)の略で、食品が血糖値を上昇させる速度を示す指標となっています。
低GI食品は、ゆっくりと消化吸収されるため、血糖値が急上昇しにくいのです。

低GI食品には、以下のようなものがあります。

【低GIの食品例】
穀物 そば、スパゲティ、押し麦、春雨
果物 いちご、りんご、グレープフルーツ、みかん
野菜 葉物野菜、ブロッコリー、ピーマン、きのこ類
野菜 牛乳、チーズ、ヨーグルト、バター

一般的に、ごはんやパン、麺類などの炭水化物は血糖値が上がりやすいといわれています。
しかし、炭水化物を極端に取らないと栄養バランスが悪くなり、食事の満足感も得にくくなるため、低GI食品のそばやスパゲティなどを選ぶことがおすすめです。

このように、低GI食品は血糖値スパイクが起こりにくいため、空腹感の予防に効果的なのです。

③食べる順番は食物繊維とたんぱく質から

食べる順番を食物繊維とたんぱく質からにすると、血糖値の上昇が緩やかになり、満腹感も得やすいため空腹の予防に効果的です。

食物繊維は、糖の吸収を抑えて血糖値の上昇を緩やかにします。
また、噛み応えがあるため満腹感を得やすいという特徴もあります。

そして、たんぱく質は消化を遅らせるホルモンの分泌を促すため、胃の動きが緩やかになるのです。

食物繊維とたんぱく質を先に食べると満腹感が得られるため、食事全体のカロリー摂取量や炭水化物の摂取量を抑えるのにも効果的です。

このように、食べる順番を食物繊維とたんぱく質を先にすると、血糖値の上昇が緩やかになり、満腹感も得やすくなるため空腹の予防につながります。

④よく噛んでゆっくり食べる

よく噛んでゆっくりと食べると、満腹感を得やすくなるため食後の空腹を防げます。

満腹感を得やすくなる理由は、噛むことによって満腹中枢が刺激されるからです。

また、食事を始めてから満腹感を感じるまでに15〜20分程度時間がかかるとされているため、ゆっくり食べると満腹感を得やすいのです。

食事は一口につき30回を目安によく噛んで、15分以上時間をかけてゆっくり食べることを心がけましょう。
なお、噛む回数が増えると食後のカロリー消費も増えるといわれています。

よく噛んでゆっくり食べると満腹感を得やすくなるため、食後の空腹を予防できます。

⑤朝食をとる

朝食を取ると血糖値スパイクが起こりにくくなるため、空腹の予防につながります。

朝食を取ると、食後の血糖値が上がりにくいため血糖値スパイクによって起こる空腹を防げるのです。

なお、朝食を取らないと血糖値の変動が激しくなる傾向があるため、糖尿病や肥満のリスクが高まります。

朝食を取らない場合、体内の血糖値が急激に低下し、体はエネルギーを補給しようとして糖分を吸収しやすい状態になります。
この状態で昼食を取ると、血糖値が急激に上昇し、血糖値スパイクが起こりやすくなってしまうのです。

そのため、朝食を取ると血糖値スパイクを起こしにくくなり、空腹の予防につながります。

お腹は空くけど食べたら気持ち悪い

お腹は空くけど食べたら気持ち悪いという場合、以下のような原因が考えられます。

・ストレス
ストレスを感じると交感神経が刺激されて胃の動きが悪くなるため

・逆流性食道炎
胃から胃酸や消化中の食べ物が逆流するため

・暴飲暴食
食べ過ぎにより胃が過度に拡張したり、食べ物が消化されずに残ることで、胃の中でガスが発生するため

ストレスや逆流性食道炎、暴飲暴食では、吐き気以外にも以下のような症状が起こります。

原因 ストレス 逆流性食道炎 暴飲暴食
症状 ・下痢や便秘を繰り返す
・食欲不振
・お腹が貼る
・吐き気や嘔吐
・腹痛が頻繁に起こる
・放屁 など
・胸骨の裏側が重たく気持ち悪いように感じる
・口の中に酸味や苦みを感じる
・吐き気
・みぞおちの痛み
・胃酸の逆流による気持ち悪さ・胸の痛み
・食べ物がのどに使える感じ
・食後に食べたものが逆流する など
・食べたものが胃の中に停滞する時間が長くなる
・消化されてくると空腹感を感じるが、消化しきれてない状態で食べると気持ち悪い など

吐き気がある場合は胃薬や整腸薬を飲んでみましょう。

それでも吐き気が治まらない場合は、吐くことで改善することもあります。
ただし、吐くと栄養素が失われ、栄養不足や脱水症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

お腹は空くけど食べたら気持ち悪いとなってしまう場合は、日々の対策として生活リズムや食生活を整え、適度な運動をおこなうことが効果的です。

このように、お腹は空くけど食べたら気持ち悪いという場合は、ストレスや逆流性食道炎、暴飲暴食などが原因となっている可能性が考えられます。

食後なのに空腹感で気持ち悪い

食後なのに空腹感で気持ち悪い場合、血糖値が急激に下がって低血糖になっていることが原因の可能性があります。

その理由は、何らかの原因で血糖値が急上昇することでインスリンが過剰に分泌されるからです。

食後に低血糖になるのは、以下のような原因が挙げられます。

・糖質の摂りすぎ
・主食(糖質)を先に食べている
・睡眠不足
・過度のストレス

食事で糖質を取りすぎると、血糖値が急上昇します。
また、睡眠不足や過度のストレスがある場合、血糖値を上げるホルモンの影響で一時的に血糖値が上昇するのです。

その結果、インスリンが過剰に分泌されて血糖値が急速に下がることによって低血糖になります。

そのため、食後なのに空腹感で気持ち悪いと感じることがあるのです。

食欲はないのにお腹が空く

食欲はないのにお腹が空く

食欲はないのにお腹が空く場合、食欲不振の可能性があります。

食欲不振の原因には、以下のようなものが考えられます。

・胃や腸などをはじめとした消化器の疾患
・精神的な疾患やストレス・不安
・生活リズムの乱れ
・風邪・インフルエンザ
・胃がん
・ピロリ菌による慢性胃炎
・胃潰瘍・十二指腸腫瘍
・感染性胃腸炎

食欲不振とは、お腹は空いているのに食べたいと思えない、適切な量が食べられないなどの状態です。
何らかの疾患が原因の場合は、その疾患の治療や療養が必要です。
一方、ストレスや不安、生活リズムの乱れなどによる食欲不振は、一時的なものであることが多いため、ストレスや不安の原因を解消したり、生活リズムを整えることで改善が期待できます。

このように、食欲はないのにお腹が空く場合は、食欲不振の可能性があります。

まとめ

食べても食べてもお腹が空くことと、糖尿病の関係についてまとめました。

  • 食べても食べてもお腹が空くのは、糖尿病が原因の場合と糖尿病とは関係ない原因の場合がある
  • 食べても食べてもお腹が空くときの対処法は以下の通り
    ・水、お茶、炭酸水など糖分が含まれていない飲み物をコップ1杯飲む
    ・キシリトールガムを噛む
    ・水を飲む
    ・歯磨きやマウスウォッシュをする
    ・軽い運動をする
  • 対処法を試しても空腹が治まらないときは間食を取る
  • 間食では食べ物の種類に注意が必要
  • 糖尿病とは関係ない原因の場合、食べても食べてもお腹が空く現象は食事の内容や食事の取り方によって予防できる

糖尿病の症状に、強い空腹感があります。

強い空腹感は糖尿病が原因の場合と、糖尿病とは関係ない場合があり、強い空腹感がある人が必ずしも糖尿病を発症しているというわけではありません。

しかし、食べても食べてもお腹が空くという悩みが日常的にある場合は、糖尿病の可能性を疑い、医師に相談してみてください。

Q&A

Q&A

食べても食べてもお腹が空く現象と、糖尿病の関係についてのよくある質問を紹介していきます。
解説と共に答えていくので、ぜひ参考にしてください。

Q.食べてもお腹がいっぱいにならないのはなぜですか?

A.食べてもお腹がいっぱいにならない場合、食物繊維やたんぱく質、脂質が不足している可能性があります。

満腹感を得るために、満腹感を促す役割を持つ食物繊維を積極的に取りましょう。
また、食欲と脱水症状を勘違いしている場合もあるため、水分を多めに取ってみることもおすすめです。

さらに、食欲を自分でコントロールできない場合、過食性障害や神経性大食症などの摂食障害の可能性も考えられます。
摂食障害が疑われる場合は、医師へ相談しましょう。

Q.糖尿病で痩せる人はいますか?

A.糖尿病で痩せる人もいます。

これは、糖尿病によってインスリンが不足したり、インスリンが効きにくくなると、体内のブドウ糖をエネルギーとしてうまく利用できなることが関係しています。

ブドウ糖をエネルギーとして利用できないと、体はエネルギー不足を補うために脂肪や筋肉のたんぱく質を分解してエネルギーとして利用するのです。

エネルギーとして脂肪や筋肉が分解され続けるため、食事を摂取しても体重が減少することがあります。