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睡眠薬で起きられない理由と持ち越し効果への対策を解説
睡眠薬で眠れたはいいものの、翌朝まで眠気が残ってしまい起きられないと悩む人は多くいます。
この記事では、睡眠薬で起きられない理由と、朝しっかり起きるための対処法を紹介します。
睡眠薬で起きられない理由は持ち越し効果
睡眠薬を飲んで翌朝起きられない理由は、睡眠薬の持ち越し効果によるものです。
持ち越し効果とは、医薬品の有効成分が効きすぎてしまい、翌朝まで作用が残ってしまっていることです。
また、睡眠薬の中で1番多い持ち越し効果が眠気だといわれています。
睡眠薬を服用した翌日にだるい時
睡眠薬を服用した翌日に、なんとなくだるさを感じた場合も持ち越し効果の影響です。
睡眠薬は、中枢神経を抑制することで眠気を促しているため、服用すると集中力や注意力が低下します。
この作用が翌朝まで続くことで、だるい、ぼんやりするといった症状が現れるのです。
翌日だるい時の対処法としては、少し休息したり、適度な運動を行うなどして脳の覚醒を促したりすることが効果的です。
睡眠薬で起きられない時の対処法
睡眠薬が効きすぎて起きられない時の対処法は以下の通りです。
・睡眠薬の量を減らす
・作用時間が短い睡眠薬に切り替える
持ち越し効果は、睡眠薬の有効成分が体から抜けない場合に起こります。
そのため、対策としては、体に長く有効成分を残らせないことが大切です。
その対策について、上記2つの方法をそれぞれ詳しく解説します。
睡眠薬の量を減らす
服用している睡眠薬の量を減らすことで、持ち越し効果を軽減できます。
安全な睡眠薬の減らし方は以下の通りです。
①ピルカッターを使い、錠剤を2分の1もしくは4分の1切り取って減らす。
②1度減らしたら、2~4週間は同じ量を飲み続けて様子を見る。
②2週間以上経っても眠気がまったく改善しない場合は、さらに4分の1切り取って減らし、2~4週間様子を見る。
②まで行ってもまったく改善しない場合は、その睡眠薬が体質に合っていない可能性があります。
その場合は、次の項目で説明する方法を試してください。
なお、錠剤をカットしなくても、服用している睡眠薬に用量の少ない錠剤がある場合は、そちらに切り替えることも可能です。
作用時間が短い睡眠薬に切り替える
作用時間が短い睡眠薬に切り替えることでも、持ち越し効果は軽減されます。
作用時間が短く、翌朝に眠気が起こりにくい睡眠薬は以下の通りです。
この中で、1番作用時間が短い睡眠薬はソナタです。
ソナタは即効性があり、強い睡眠薬のため、寝つきが悪い人に人気の睡眠薬です。
これらの睡眠薬について、1つずつ特徴を紹介していきます。
ソナタ
有効成分 | ザレプロン |
---|---|
分類 | 非ベンゾジアゼピン系 |
ピークタイム | 約30分~1時間 |
作用時間 | 約1時間 |
副作用 | 眠気、めまい、頭痛、吐き気、倦怠感 |
ソナタは、非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬です。
作用時間が1時間ととても短く、ピークタイムも約30分からと速効性があるため、寝付けないといった入眠障害に効果を発揮します。
強い睡眠薬ですが、効果のキレが良いので、翌朝まで眠気が残る心配はほとんどありません。
また、ジェネリック医薬品が登場しているため、安く購入することも可能です。
効果が高く、かつ翌朝すっきりと目覚められる睡眠薬を探している人は、ぜひソナタをお試しください。
ロゼレム
有効成分 | ラメルテオン |
---|---|
分類 | メラトニン受容体作動薬 |
ピークタイム | 約1時間 |
作用時間 | 約3~4時間 |
副作用 | 傾眠、頭痛、倦怠感、浮動性めまい |
ロゼレムは、メラトニン受容体作動薬に分類される睡眠薬です。
作用時間は3~4時間で、体内時計を整えて眠気を促すことから、入眠障害に効果があるとされています。
また、時差ボケや昼夜逆転の改善にもよく使用されています。
効果自体はおだやかですが、安全性がとても高く、長期間安心して飲み続けられることがメリットです。
安全性を重視している人や、時差ボケや昼夜逆転による不眠症に悩んでいる人は、ぜひロゼレムをお試しください。
ルネスタ
有効成分 | エスゾピクロン |
---|---|
分類 | 非ベンゾジアゼピン系 |
ピークタイム | 約1時間 |
作用時間 | 約5時間 |
副作用 | 傾眠、頭痛、浮動性めまい、不安 |
ルネスタは、ソナタと同じ非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬です。
作用時間は5時間と長めではあるものの、効果が強くキレが良いため、翌朝まで眠気が残ることは少ないとされています。
また、入眠障害だけではなく、夜中に目を覚ましてしまう中途覚醒にも効果があるので、睡眠が浅い人にもおすすめです。
さらに、ルネスタもジェネリック医薬品が登場しており、安く購入することができます。
夜中に目が覚める症状があり、かつ翌朝までは眠気を残したくないという人は、ぜひルネスタをお試しください。
持ち越し効果が高いとされる睡眠薬
一般的に、作用時間が長い睡眠薬は、持ち越し効果が高いことが多いです。
翌朝に眠気が残りやすいとしてよく挙がる睡眠薬には、ベルソムラとデエビゴがあります。
ベルソムラの作用時間は約10時間です。
眠気の程度には個人差がありますが、初めて服用した翌日は特に眠いという人が多く、丸1日車の運転や危険を伴う作業ができないほどとされています。
ただ、ベルソムラの持ち越し効果は、1か月以上飲み続けることでだんだん治まっていくことが多いです。
一方、デエビゴの作用時間は約3~4時間です。
しかしデエビゴは、半減期(体内における薬の濃度が半分になるまでの時間)が約50時間ととても長いため、人によっては日中までずっと眠いと感じることがあります。
ベルソムラやデエビゴは、このような特徴から、中途覚醒や、朝早くに目が覚めてしまう早朝覚醒に大きな効果を発揮します。
この2つの睡眠薬を検討する時は、自分の不眠症の症状と照らし合わせてから、服用するかを決めましょう。
ちなみに、ベルソムラとデエビゴの副作用については、別の記事で詳しく解説しています。
興味のある人はぜひ、こちらもあわせてご覧ください。
- 関連ページ
- ベルソムラの副作用や依存性
- デエビゴの副作用や依存性
そのほかの睡眠薬の持ち越し効果
翌朝の眠気以外にも、睡眠薬の持ち越し効果による症状があります。
・日中の眠気
・倦怠感
・ふらつき
・集中力の低下
これらの症状が出ている場合は、重大な事故につながる可能性がありますので、車の運転や危険が伴う作業は控えてください。
まとめ
睡眠薬の持ち越し効果について、この記事で解説したことをまとめました。
睡眠薬がききすぎて起きられない時の対処法
・睡眠薬の量を減らす
・作用時間が短い睡眠薬に切り替える
作用時間が短い睡眠薬
・ソナタ
・ベルソムラ
・ルネスタ
持ち越し効果が高いとされている睡眠薬
・ベルソムラ
・デエビゴ
睡眠薬を服用していて、翌朝起きられないと悩んでいる人は少なくありません。
日中元気に活動するためには、質の良い睡眠はもちろん、翌朝のすっきりとした目覚めも大切です。
睡眠薬の使い方を工夫して、快適に毎日を過ごしましょう。
よくある質問
睡眠薬の持ち越し効果に関連して、よくある質問をまとめました。
うつ病で睡眠薬を飲むと朝起きられないですか?
睡眠薬のせいで起きられないというよりも、うつ病の症状により起きられない可能性があります。
夜は寝られない、朝は起きられないというのは、うつ病によく見られる症状です。
うつ病の場合、よく寝て十分な休息をとることはもちろん大切ですが、規則正しい生活も治療のために大切なので、医師と相談しながら生活リズムを整えましょう。
睡眠薬とうつ病には、深い関係があります。
睡眠薬とうつ病の関係について、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
- 関連ページ
- うつ病で眠れないときの睡眠薬の取り入れ方
睡眠薬は毎日飲んでも大丈夫ですか?
依存性や耐性が少ない睡眠薬であれば、毎日飲んでも大丈夫です。
この記事で紹介している睡眠薬は、すべて依存性や耐性の心配がほとんどない商品となっています。
安心して服用できますので、不眠症でお悩みの人はぜひお試しください。
睡眠薬が体から抜けるまでどのくらいかかりますか?
睡眠薬が体から抜けるまでの時間は、その睡眠薬の半減期によって変わってきます。
半減期とは、体内における薬の有効成分の濃度が、半分に減るまでの時間のことです。
体から完全に薬が抜けるまでには、その薬の半減期の倍の時間かかると考えてください。